大判例

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名古屋高等裁判所 昭和26年(う)582号 判決

原裁判所が検察官から所論各司法警察員作成供述調書の謄本に付取調の請求があつたのに対し、其の各原本の存在並原本と謄本との間に於ける内容の同一性に関し審査することなく、被告人並弁護人が右各供述調書の謄本を証拠とすることに同意したことを確めたのみで、同各供述調書の謄本に付之が証拠調手続を行つたことは洵に所論の如くであるけれども、同各供述調書の謄本を本件記録に付いて観ると、該各供述調書の謄本には、孰れも其の末尾に、多治見市警察署司法巡査に於て、原本によりこれを作成した旨記載して署名捺印して居ることが認められるので、斯の如き認証が存する以上、他に格段の事情が存しない限り、右各供述調書の謄本は、孰れも其の原本と相違なく、且信用し得べき情況の下に作成されたものと認めるを相当とし、特に被告人並弁護人に於て同各供述調書の謄本を証拠とすることに同意して居る本件に在つては、被告人並弁護人に於ても前叙の如く右各供述調書の謄本が孰れも其の原本と相違なく、且信用し得べき情況の下に作成されたことを認めて争わなかつたものと解し得られるが故に、斯かる事情の下に、原裁判所が右各供述調書の謄本に付、被告人並弁護人に於て之を証拠とすることに同意したことを確めたのみで、之が証拠調手続を行つたからとて、之を所論のように違法と目すべき証拠は毫もなく、延いては原判決が右の如く証拠調手続を行つた所論各供述調書の謄本を、原判示事実認定の資料に供したことに関しても亦何等違法の廉が存しない。之を要するに所論は、畢竟独自の法律解釈に依拠して原裁判所の正当な措置を云為するものであつて、到底採用に由なく、論旨は其の孰れの点からするも其の理由がない。

(註 本件は量刑不当により破棄自判)

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